たまり醤油って聞いたことありますか?
「聞いたことはあるけど、なんだか専門的な感じ」
「何に使うのかよくわからない」
そんな人が多いのではないでしょうか。
ここでは、たまり醤油が何なのか、どういったものに使うといいのかをご紹介いたします。
普通の醤油とはちょっと違う味わいに、興味が沸いてくるはずですよ!
■たまり醤油ってどんな醤油?
大豆に麹を加えて、味噌のかたまりを作ったのち1年かけて熟成させます。
その味噌の塊から染み出た液体が、たまり醤油です。
発祥は鎌倉時代にさかのぼります。
信州のお坊さんが径山寺(きんざんじ)味噌の製法を中国から持ち帰り、味噌樽の底にたまった液体で、料理をしたことが最初と言われています。
私たちがなじみのある濃口醤油や薄口しょうゆは、その後の室町時代に作られたというのですから、さらに歴史が古いのですね。
現在では主に東海、中部地方の愛知県、岐阜県、三重県の生産量が多くなっています。
豆味噌を作るときに一緒にできるので、このあたりの地域では醤油と言ったらたまり醤油、というくらいなじみ深いものです。
・味や風味は?
通常の濃口醤油は大豆と小麦を1:1の割合で使いますが、たまり醤油は大豆100%、もしくは小麦を少し加えるだけで作られるので、濃厚なうま味と独特な甘みが特徴です。
熟成期間が長いため、とろみが強く出ます。
色が濃いのでしょっぱいと思われがちですが、塩分は濃口醤油と同じくらいです。
うま味が強いため、たくさんつけなくても味わいが変わることから、濃口醤油よりも塩分の摂取量は少なくなります。
刺身や寿司などに使われることが多いですが、これは魚の生臭さが消えるためで、理にかなっています。
魚以外にも味が濃いので、煮つけや焼き鳥のたれなどに使うこともできます。
料亭などで食べる和食にしか使えないのかと思いきや、割と普通の料理にも使えそうですね。
■たまり醤油の代わり
みりんとザラメをいつもの醤油に加えることで代用できます。
醤油:みりん:ザラメ=2:1:0.5の割合で鍋に入れて火にかけます。
沸騰しない程度の温度で、ザラメを溶かして出来上がりです。
ザラメがない場合はきび砂糖でも、代用可能ですよ。
代用として作ったたまり醤油は、みりんのアルコールがあまり飛んでいないので、そのまま食べるより、煮つけや焼き鳥のたれなどに使うようにしましょう。
■たまり醤油を使ったレシピ
たまり醤油のコクとうま味が生かされたレシピをいくつかご紹介いたします。
・材料
● 豚肉かたまり(バラ肉)・・・200g
● ネギ(青い部分)・・・1本分
● しょうが・・・ひとかけ
● たまり醤油・・・50ml
● 水・・・120ml
1. 豚肉をぶつ切りにして、フライパンで焼き目がつくくらいに焼く
2. ぶつ切りにしたネギと、薄切りにしたしょうがと一緒に1と分量外の水で、アクを鶏ながら40分ほど煮込む
3. 煮込んだ豚肉を取り出し、材料のたまり醤油と水で20分ほど煮詰める
少々時間はかかってしまいますが、材料が少なく済んで、コクが活かされた料理に出来上がりますので、是非たまり醤油で作っていただきたい一品です。
いつもとは一味違う角煮ができますよ。
焼きおにぎり!!
簡単すぎてレシピ、というには気が引けてしまうのですが、シンプルな料理であるため、たまり醤油の良さが味わえる一品です。
● おにぎり
● たまり醤油・・・大さじ1
● 醤油・・・大さじ1
● みりん・・・大さじ1
1. おにぎり以外の材料を混ぜ、ハケで塗りながらおにぎりを焼いていきます
醤油をしっかり浸み込ませるように、こんがり焼くのがコツです。
フライパンで焼くときは油を敷いてから焼き始めます。
網やトースターでも、焼きおにぎりはできますので、小腹がすいたときに簡単に作れます。
■おすすめのたまり醤油3選
海の精 国産有機 たまり醤油
有機大豆を使い、仕込みの水を本来の半分にした五分仕込みという方法で仕込んでいます。
このことで、濃厚でうま味が恐縮された味わいが特徴です。
国産JAS認定の有機大豆と、国産の伝統海塩の「海の精」を使うなど、原料にもこだわりがみられます。
熟成期間も2~3年と長く、濃厚で、角のないまろやかさを味わうことができます。
濃厚な味わいが特徴なため、照り焼きや煮物などにもそのおいしさを発揮してくれます。
マルマタ 尾張のたまり
地元愛知県産の大豆と塩のみを使って作られたたまり醤油です。
小麦を一切使っていないので、小麦アレルギーの人も安心して使うことができます。
3年という長期の熟成期間を設けているため、塩の角が取れた、まろやかな風味を生み出しています。
そのままかけるだけの方が、おいしさを味わうことができるので、刺身や冷奴に使うと良さがよくわかります。
ポン酢と混ぜて、使うことでも良さが際立ちますよ。
山川醸造株式会社 たまりや 十水仕込溜醤油「長良」
「長良」は岐阜県産の丸大豆と、天日塩を使い、十分の水で作られるため、コクやうま味のバランスが良く、濃厚さも程よいです。
美濃の伝統的な豆味噌とたまり醤油を守っていて、たまり醤油の種類も多く、「長良」の他にも数種類揃えてあります。
甘みやコクの強さなどがそれぞれ違うため、料理によって使い分けできるのが特徴です。
たまり醤油初心者には使いやすい一品と言えます。
■まとめ
たまり醤油の良さがおわかりいただけたでしょうか。
● たまり醤油は味噌からできたもの
● 甘みとコクの濃厚さを味わう醤油
● 家にない時は濃口醤油を使って代用できる
● 醸造所や仕込みで味わいが変わってくる
普段の料理にあまりなじみがない人も多いと思いますが、これを機会にたまり醤油を使ってみてはいかがでしょうか。
いつもの味とは一味違う、料理に驚かれると思います。
是非試してみてくださいね!
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