自分でフランスパンを焼こうと思ってレシピを見たら、見慣れないモルトパウダーという文字。
前に作ったコッペパンにはなかった材料だな、でもどうして使うのだろう。
ハードタイプのパンを作るためのモルトパウダーは、重要な材料の一つです。
モルトパウダーはどうして必要なのか、効果やはたらき、使用量について解説します。
■モルトパウダーの必要性
主にハードタイプのパンを作るのに必要です。
パンをふくらませるのには、イーストが発酵する力を使います。イーストが発酵する条件は適度な温度と、水分、糖分などのエサが重要なポイントです。
ソフトタイプのパンには砂糖が入るので、イーストは砂糖をエサとしてふくらみますが、ハードタイプのパンには砂糖が入りません。
モルトパウダーには麦芽糖が含まれていて、イーストのエサになります。
イーストが発酵してふくらむためには、エサとなる麦芽糖が含まれているモルトパウダーが重要なのですよ。
■モルトパウダー効果・働き
・ふくらみを助ける
イーストがふくらむためには、麦芽糖、つまりモルトパウダーがエサにならなくてはいけません。
ふくらむための発酵を助けるはたらきです。モルトパウダーがなくても発酵は進みますが、温度や発酵時間など、少しの要因で仕上がりが変わってきてしまいます。
発酵を安定させるためにも、モルトパウダーを入れた方がふくらみの効果が高くなる、というわけですね。
・焼き色を付ける
フランスパン表面のきれいな黄金色は、モルトパウダーがつけてくれます。
モルトパウダーを入れずに同じ条件で焼いたとすると、表面がくすんで焼き色があまりついていない
ものが出来上がってしまいます。
砂糖を火にかけるとカラメルのように茶色くなりますよね。あの反応と同じことが起こるのです。
砂糖が入っているパンであれば、砂糖が焼き色をつけてくれますが、砂糖を入れないパンでは焼き色が付きにくいです。
そのためモルトパウダーが入ることによって、焼き色をつけてくれるわけですね。
■モルトパウダー適切な使用量
小麦粉に対して0.1~0.3%が適切な量です。
かなり少量で使うので、しっかり計量する必要があります。そのために小数点以下が測れる、デジタルのはかりを用意しなくてはなりません。
適当に入れてしまうと、足りなかったり入れすぎたりしてしまいます。
足りないとふくらみが足りなくなり、入れすぎると生地にしまりがなくなって、ダレてしまうことがあります。
適切な量をしっかり量ることが重要です。
自宅でパンを作るときは同じような条件でも、ふくらみや色の付き方が安定しないことがあります。
毎回分量や発酵、焼き時間などを記録して、次に作るときはそのデータを生かすことが、上手なパンを作るのには大事なポイントですよ。
■まとめ
● モルトパウダーは砂糖が入らないハードタイプのパンに必要
● モルトパウダーに含まれる麦芽糖が効果を発揮する
● モルトパウダーを入れるとふくらみがよくなり、きれいな焼き色がつく
● 少量を使うので、しっかり計量することが重要
モルトパウダーの効果やはたらきを解説しました。
砂糖の入らないハードタイプのパンを作るときには、必要な材料であることがおわかりいただけたと思います。
ほんの少ししか使わないため「なくてもよいのでは」と思ってしまいますが、入っているのといないのでは大きな差が出てしまいます。
ハードタイプのパンを作るときは、必ず使うものだと思って用意するようにしましょうね。
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