お菓子のレシピでよく見かけるベーキングパウダーや重曹ですが、この2つにはどのような差があるのかわかりますか?
どちらも生地をふくらませるものだと思うけど何が違うの?そう思われる人も多いかと思います。
ベーキングパウダーと重曹は、ふくらませることだけが役割ではありません。
今回はベーキングパウダーと重曹の違いと、代用品について解説します。
■ベーキングパウダーと重曹の違い
重曹
色・・・黄味が強く出て、ココアやコーヒーなどの茶色い生地が濃くなる
ふくらみ方・・・横方向へふくらむ
成分・・・炭酸水素ナトリウム
味やにおい・・・少し苦みがある
重曹は熱を加えることで炭酸ガスが出て、ふくらみます。ふくらませるためには熱を加える必要があるので、生地を寝かせてから焼くものに向いています。
横方向へふくらむため、マフィン型のようなものに入れても、外へ流れ出てしまうことがあります。
生地がもったりとした、どら焼きやタンサンまんじゅうといった和菓子に向いています。
ベーキングパウダー
色・・・食材の色味を壊さない
ふくらみ方・・・縦方向へふくらむ
成分・・・第一リン酸カルシウム 、炭酸水素ナトリウム、コーンスターチ など
味やにおい・・・ほとんどない
ベーキングパウダーは加熱だけではなく、水分を含むことでもふくらみます。
このことからも生地を寝かせずに、混ぜてからすぐに焼くものに向いています。
重曹の苦味や色味をおさえるために作られたもので、成分の種類も多くなっています。
縦方向へふくらむため、マフィン型やパウンド型に入れてもふっくら背が高く焼きあがります。
ふんわりとした食感の洋菓子を作るのに向いています。
■ベーキングパウダーと重曹はお互いに代用可能?
お互いに代用ができますが、それぞれの特徴を知った上で使いましょう。
重曹のデメリットは、苦みや色が強くでてしまうこと。
ベーキングパウダーのデメリットは、生地を寝かせている間に生地の水分でふくらんでしまい、焼くときになってふくらまないといったことがあります。
ふくらませる、という役割は同じですがこれらの特徴をふまえて代用させるようにしましょうね。
■ベーキングパウダーと重曹は両方使うことができる?
2つを同時に使うことは可能です。
レシピによっては、両方を入れる指示がされているものもありますよ。
例えばスポンジケーキのようなものは、焼き色もふくらみも欲しいですよね。
重曹は焼き上がりの色をしっかりつけられますが、ふっくらと背の高さ出すふくらませ方は、ベーキングパウダーを使う方が向いています。
それぞれの利点を生かしながら仕上げることができるので、あえて両方を使う方がいいこともあるのです。
■ベーキングパウダーの代用に炭酸水は使える?
炭酸水を代わりにすることもできます。
ベーキングパウダーも炭酸水も、炭酸ガスの作用でふくらませています。
しかし炭酸水での代用が向いていないものもあります。
スコーンやクッキーといった水分が少ないものは、生地がべチャっとなってしまうので向いていません。
牛乳などの水分を多く入れる、スポンジケーキやマフィンのようなものに使うのが合っています。
■炭酸水をベーキングパウダーの代用に使う場合の量
牛乳を使うレシピの場合、そのままの量を炭酸水に置き換えて使います。
例えば元々のレシピで牛乳を200cc使うように書いてあれば、炭酸水を200cc入れて牛乳は入れない、ということですね。
牛乳の風味も欲しいな、というようであれば牛乳50cc、炭酸水150ccにするだけでもずいぶん変わってきます。
■炭酸水をベーキングパウダーの代用に使う場合の注意点
ふくらみがあまり出ないことがある
卵を泡立てる工程がないなど、炭酸水以外のふくらむ要因が少ない場合は、思ったようにふくらまないことがあります。
色がついてしまうことがある
スポンジケーキやパウンドケーキなどに使うと、茶色が濃く出ます。
焦げている、とまではいきませんが、いつものような淡い黄色にならないこともあります。ココアを使ったスポンジケーキも色が濃くつくので、茶色というよりは黒っぽくなります。
チョコの感じを強く出したいときは、炭酸水をあえて使うという方法もあります。
■まとめ
● ベーキングパウダーは重曹も入っているが、違う成分も含まれている
● 重曹はもったりとした生地になりやすいため、和菓子に向いている
● ベーキングパウダーは洋菓子作りに向いている
● ベーキングパウダーの代わりに炭酸水が使える
ベーキングパウダーと重曹の違いを解説しました。ベーキングパウダーには重曹の欠点を補う成分が入っていることが、おわかりいただけたと思います。
特徴もそれぞれに違っていますので、使い分けると難しいお菓子作りも楽しくなりそうですね。
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