パンやお菓子を作るのに欠かせない、ドライイーストとベーキングパウダー。
この2つは生地をふくらませるために入れますが、それぞれの違いはわかりますか?
違いを知ると、自分の好みの食感の生地に仕上げることも可能です。
いつものレシピよりもしっとりさせたい、さくさくさせたい、そういった望みもかなえられますよ。
今回はドライイーストと、ベーキングパウダーについて解説します。
■ドライイーストとベーキングパウダーは併用できる?
結論からいうと可能です。
レシピによっては両方を入れるように書いてあるものもあります。
ドライイーストとベーキングパウダーは、ふくらませるというはたらきは同じですが、ふくらむための条件が変わってきます。
ふくらんだあとの食感なども違いがありますので、2つのいいとこどりをした使い方もできるのですよ。
■ドライイーストとベーキングパウダーを併用した場合の効果
併用することで、ふくらみの加減をバランスよく保てて、「もっちり」と「ふんわり」の中間の食感に仕上げられます。
ベーキングパウダーは薄力粉のような粘りの少ない粉をふくらませるのに向いていて、ドライイーストは強力粉のような粘りの強い粉をふくらませることが得意です。
2つを併用することで、中力粉を使うような料理によさが発揮できますよ。
中でも中華まんの皮に併用すると、おいしく仕上げられますよ。
■ドライイーストとベーキングパウダーの大きな違い
ドライイースト
成分・・・乾燥した酵母
ふくらみ方・・・水分と加熱で酵母が糖をエサとして、糖化した時に炭酸ガスが発生
ふくらむ強さ・・・強いため、強力粉のような粘りの強いものでもふくらむ
食感・・・モチモチとした食感
特徴・・・ゆっくりと発酵するので寝かせる時間が必要
ベーキングパウダー
成分・・・重曹のほかに酸性のものとそれを中和させる成分が入っている
ふくらみ方・・・水分と加熱、酸性に反応することで炭酸ガスが発生
ふくらむ強さ・・・あまり強くないため薄力粉のような粘りの弱いものをふくらませるのに向いている
食感・・・サクサク、ホロっとした食感
特徴・・・酸性の成分と、反応しすぎないようにする中和剤のはたらきがあるものが含まれている。ふくらませるのに寝かせる必要はない。むしろ寝かせるとふくらみが悪くなることがある。
成分以外にふくらませる強さや、食感が変わってくることがわかります。
■ドライイーストとベーキングパウダーはお互いに代用可能?
代用は可能ですが、同じようには仕上がりません。
これは上の章でのせた、ふくらみの違いによるものです。
ベーキングパウダーはドライイーストに比べてふくらむ力が弱いため、強力粉をふくらませる力がありません。
そのため、パンを作るのに代用してしまうと固いパンができてしまいます。
ドライイーストは扱いが少し面倒なのがデメリットです。
温度や水かげん、寝かせる時間によってはふくらまなかったり、逆にふくらみすぎたりということがあります。
ドライイーストの扱いに慣れた人が使うのはいいかもしれませんが、そうでない場合は思ったような仕上がりにならないことが多いです。
「サクサク」とした食感にならないので、スコーンなどは「しっとり」とした仕上がりに出来上がります。
■ドライイーストとベーキングパウダーを間違えた!解決方法を紹介
パンを作ろうと思って、ドライイーストではなくベーキングパウダーを入れてしまったら、あとからドライイーストを足しましょう。
そのあとは、いつもと同じように作れば大丈夫です。
いつもより大きくふくらんでしまうかと思いますが、さほど大きな差は出ないかと思います。
反対にベーキングパウダーではなくドライイーストを入れてしまった場合はどうでしょうか。
そのまま寝かせて発酵させてから焼くか、ベーキングパウダーを加えてすぐに加熱するかのどちらかで対処できるはずです。
それぞれの性質を生かしながら対処すれば、いつもとあまり変わらないお菓子ができますよ。
■まとめ
● ドライイーストとベーキングパウダーは併用できる
● 併用するときは中力粉を使う、中華まんのような生地に使うのがおすすめ
● それぞれ代用はできるが仕上がりが変わることを覚えておくこと
● ドライイーストとベーキングパウダーがふくらむ条件を覚えておけば間違えても対処できる
ドライイーストとベーキングパウダーの併用や、代用が可能かを解説しました。
ふくらむ条件を知ることで、使い方や仕上がりの違いもわかりましたね。
小麦粉を使った料理を作るときはふくらむ条件を知っておけば、自分の好みの生地が作れます。ぜひ活用してくださいね。
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