寒い時期に体を温める飲み物のひとつとしてあげられる葛湯。
昔、風邪をひいたときにおばあちゃんやお母さんが作ってくれた、という人もいるかもしれません。
今では風邪っぽいなと思ったらすぐに薬を飲むのがセオリーですが、昔はこういった民間療法で症状を軽くしていました。
体にやさしい印象の葛湯ですが、正体は?作り方や効能は?わからないこともありますよね。
今回は、そんな葛湯について解説していきます。
■葛湯とは?
マメ科の植物である「葛」の根を粉にしたものを、お湯で溶いて甘くした飲み物です。
トロリとした飲み口で、体が温まることから風邪の引きはじめによく飲んだりします。
葛湯の材料でもある葛粉には、漢方の葛根湯でも使われていて、血行を促進して体温を上げる作用がみられます。
昔から薬に頼らない、民間療法として親しまれている飲み物です。
本来は葛の根から作られるのですが、作るのに手間がかかり、とても希少なため、現在ではサツマイモのデンプンを使ったものがほとんどです。
■葛湯はこうやって作る!
寒いときはすぐに飲みたいですよね。
そんなときでも葛湯は簡単に作れますよ!鍋でゆっくりとろみをつけていく基本的なレシピをご紹介します。
葛粉・・・大さじ1
砂糖・・・大さじ2
水・・・150~200ml
ショウガ・・・お好みで
1・ショウガ以外の材料をすべて鍋に入れます。
2・中火にかけて木べらで練りながら混ぜ、温めます。
3・とろみがついて、白色から透明に色が変わったら、お好みでショウガを入れて出来上がりです。
味見をして甘みが足りないようであれば、砂糖を足して調整してくださいね。
木べらで練っていくことで、葛粉がダマになるのを防ぎます。焦げ付かないように火加減にも気をつけてくださいね。
水の代わりにコーヒーや牛乳を使うこともできますよ。
正統派の葛湯もいいですが、ちょっと変わった風味が楽しめるのも面白いですね。
■葛湯の効能
葛根湯でも使われている通り、血行を促進させて体温を上げる作用があります。
風邪の引き初めに葛根湯を飲むわけは、寒気を感じるときに体温を上げるため。
ほかにも風邪の引き初めでなくても、肩こりや冷えを感じている人には、もってこいの効能が備わっています。
また、葛粉にはイソフラボンが含まれているため、女性ホルモンを整えるはたらきも期待できます。
女性ホルモンを整えて、冷えを解消してくれる葛湯は女性の味方の飲み物でもあるのです。
■葛粉の代用品
葛湯の原料でもある葛粉は、どういったもので代用できるのでしょうか。
葛湯だけではなく、ほかの用途に向いている代用品もありますので、使い分けられるといいですね。
★片栗粉
片栗粉はじゃがいものデンプンですが、温めることでとろみがつきますので代用可能な食品です。
葛粉に比べると、味が足りないのでレシピよりも砂糖などの甘みを多めに入れるとおいしく仕上がりますよ。
葛湯(片栗粉)なう pic.twitter.com/rNX1J9D63e
— 緑輝 真太郎 (@midorimaruka) September 5, 2019
★コーンスターチ
コーンスターチはトウモロコシからとれるデンプンで、洋菓子などに多く使われます。
冷えてもとろみをつけられるのが特徴ですが、温かいものでもとろみをつけることができるので、代用できますよ。
コーンスターチが余っていたのでジャムを使ってキセーリ作ったよ。わかりやすく言うとロシアの冷たい葛湯。もちろん熱いの飲んでもいいので完全にロシアの葛湯 pic.twitter.com/T84JhrrFg1
— para❤️🤗 (@para1193) July 29, 2017
★板ゼラチン
板ゼラチンは粉ゼラチンと違って、冷たい水につけてふやかして使います。
ふやけたら、温かいものに入れて、溶かして使うのです。粉ゼラチンよりも固まる力が弱いため、量によってはカチッと固まらず、トロリとした状態にさせることができます。
葛湯のように温度が高いものは、とろみがでにくいですが、少し冷えるととろみが出ますので、冷やし葛湯を作るときの代用として使うと良さそうです。
シャンパンビネガーのソースを半量とってそこに抹茶を加え、更に生クリーム追加。
板ゼラチンをふやかしてコンソメに溶かして、そこにディルとそら豆、えんどう豆をいれてゼリー寄せをつくりました。
アスパラガスの上にメバルを載せて完成。 pic.twitter.com/L0QUTmu2Q6— *:.。. ❇︎ komorebi ❇︎.。.:* (@komorebi3739) February 7, 2015
★マシュマロ
マシュマロは卵白とゼラチンでできたお菓子です。
そのまま食べてもおいしいですし、バーベキューの時に火で温めて食べると中がトロリとして、おいしいですよね。
冬になるとホットココアに浮かべて飲む人もいるのではないでしょうか。
このマシュマロを熱湯に溶かすと、トロリとしてきますが、冷えると固まってしまいます。
使い方としては、プリンやムースなどに使うのが向いています。
マシュマロココナッツミルクプリン😋
オリジナルで作ってみました😊
ゼラチンの代わりにマシュマロを代用しました。プリンとムース両方の食感と舌触りでフワトロ〜😋
すごく美味しかったです😉 pic.twitter.com/NdzHQMQpZi— そうた/A (@Ly42zq0SL0BZyGe) August 6, 2020
★アガー
アガーは寒天と同じく海藻が原料でできていて、食感はプルンとしています。
ゼリーや寒天に比べて透明度が高く、味もしないので、ほかの素材の味を邪魔することがありません。30~40℃くらいで固まるので、常温のデザートづくりにも最適です。
常温では溶かすことができないので、熱湯に近い温度で溶かしてから冷やしていきます。
葛粉の代わりとして使うには、デザートがおすすめですが、ちょうど飲み頃の温度でとろみが出てきますので、葛湯を作るときの代用としても使えます。
★タピオカ粉
タピオカ粉はキャッサバという芋のデンプンから作られたものです。
タピオカというと、モチモチして小さな球状のデザートを思い浮かべますが、ブラジルで作られるポンデケージョというパンの原料として使われています。
食感の特徴はモチモチと弾力があること。粘り気が強いので量に気をつけながら使うといいですね。くずもちなどを作るのに適しています。
タイは片栗粉の代用品で、タピオカ粉を使うらしい🤔✨
とろみを超えたもちもち…😌💘わらび餅作ろうと思ったら葛湯ができた。
なんでや😟 pic.twitter.com/txORN7KnSN— だみ (@dami_beans06) March 29, 2020
■まとめ
葛湯と原料の葛粉についておわかりいただけたでしょうか。
● 葛湯は葛粉から作られる
● 血行促進させ、体を温める作用がある
● 葛粉はダマになりやすいので、葛湯を作るときはしっかり練るとよい
● 葛粉の代用は、作るものの温度や食感を考えて使うようにするとよい
寒い季節はおやつ代わりに葛湯で体を温めるのもいいですよね。葛粉はお腹にも優しいので、食欲がないときやお腹の調子が悪いときの、栄養補給にもちょうどいいですよ。本物の葛粉は高級品ですが、体をいたわる意味でも機会があったら取り入れてくださいね。
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