冬になり気温が下がってくると道路が凍結しやすく転倒やスリップなどの危険があり、頻繁に雪が降る地域は自治体が対応してくれたりします。
重労働の雪かきを少しでも楽にしてくれる融雪剤はホームセンターで気軽に手に入りますが、あまり雪の降らない地域は備えも少なく、すぐに完売してしまいます。
雪が降ってきたのに家に融雪剤がない、どこのお店も売り切れてる、そんな時に役立つ融雪剤の代用品をご紹介します。
■凍結防止剤と違う?融雪剤の特徴や成分について解説
凍結防止剤や融雪剤は冬に必ずと言っていいほど活躍します。
どちらも似ていますが、特徴や用途が全く違います。地域によって異なる気温や使用状況で使い分けが必要です。メーカーによっては同じものとして販売されているので、購入時は注意書きや取り扱い説明、成分を確認しましょう。
★凍結防止剤
凍結防止剤は温度下がって固まるのを防ぐものです。塩化ナトリウムや尿素が主成分になり、溶けた雪に溶け込むことで凝固点を下げ、凍るのを防ぐことができます。塩化ナトリウムは作用の持続力が長く、雪が降る前や降り始めで散布するのが効果的です。
★融雪剤
融雪剤と言えば塩化カルシウムですが、中には塩化マグネシウムのいわゆるニガリが主成分になっています。水分と反応して熱を発生させて雪を溶かし、凝固点を-50度まで下げて再び凍るのを防ぐ効果もあります。
■融雪剤のメリットやデメリットを紹介
★メリット
雪道は道路とタイヤの摩擦が少なくなり、カーブの横滑りやブレーキの制動距離が伸び、事故に繋がります。
さらに溶けた雪が再び凍ることでミラーバーンやアイスバーンなどの危険な路面状態になってしまいます。融雪剤を散布することで雪が溶け、路面が固められたり、凍結するのを防ぐことで事故など危険を軽減し、除雪作業を楽にする効果もあります。
★デメリット
主に融雪剤として使用される主な成分が塩化物です。そのため塩害として環境に影響を与え、世界中で問題になっています。
★融雪剤の塩害としてコンクリートや建造物の損傷
塩分がコンクリートなどに染み込み、内部の鉄筋が錆びて膨張することで、ひび割れたり剥離したりします。
こちらは44〜5年前のコンクリート(福崎辺りとか仰られていました)海砂砂岩使用の品質。環境問題等から70年代はこれが標準。ただし海砂の除塩不足&凍結防止剤による塩害で鉄筋が膨張し20年でひび割れ→35年で上はポットホール、下は剥離となってしまったそうです。ボロボロですね…#どぼくカフェ pic.twitter.com/hVe7bEqFrm
— makes no sense (@onmusiconlife) December 15, 2019
★金属の腐食、車の錆び
ガードレールや車体の錆びは塗装をしていても腐食が進むことで錆びてしまいます。洗車はこまめに車体の下やホイール部分、ドア周りもしっかり洗い流しましょう。
塩カルによるボディの腐食は車に深刻なダメージを与える。そろそろ融雪剤を見直してもいいのでは? –
まずはこちらをご覧下さい。
… – https://t.co/g0ojaG8UrR – pic.twitter.com/V4JydfSeA6
— チームMHO (@teammho) December 19, 2016
★植物の衰退
塩分の浸透圧で養分が補給されず植物が枯れます。アメリカやヨーロッパでも道路脇の樹木が融雪剤による塩害の影響を受け、環境問題として取り上げられています。
★生物への影響
塩分が溶けだし水生生物への影響や、動物が塩分を求め融雪剤を舐めにきたり、融雪剤による生物への影響は大きく、融雪剤の環境破壊で絶滅になった生物もいます。
ヤバイ・キケンな生き物をテーマにした番組で固有種を取り上げると関係各所から苦言が出るかと思いますが、ロードキルの観点からだと必要に思います。道路脇は日当たりがよく食べ物になる植物が生え、凍結融雪剤がミネラル供給源になり動物が集まります。山間部のドライブ中の衝突事故は深刻と思います pic.twitter.com/eHIPut2JOv
— 星山川海 (@metabonaotoko) November 12, 2019
現在は代替防止剤として、無塩の融雪剤や酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが販売され、国や自治体によって試験導入や推奨している地域もあります。
■融雪剤がない!融雪剤の代用になるもの4つ紹介
★除湿剤の中身
除湿剤に使われる塩化カルシウムは融雪剤と同じです。塩化カルシウムに水分を含ませると熱を発生させるので、その原理を利用して融雪剤の主成分として使われているので、融雪剤の代用品として使用できます。
★灰や砕いた炭
使用した木炭の灰や炭を散布しやすいように細かく砕けば代用品として使用できます。
黒い炭や灰が太陽の熱を集めて雪を溶かします。籾殻燻炭などとしてホームセンターでも販売され、植物に影響がなく、役目を終えればそのまま土壌改良材になるので、野菜や植物を育てている方などに人気があります。
融雪剤を散布しました。
これで雪解けを早めて、畑作業に取り掛かります。
融雪剤は細かい炭なので人畜無害です。 pic.twitter.com/YgzazB8kIm— 空知鉃道⊿【公式】 (@soratetu1910) March 18, 2018
天気が良くないので、融雪剤代わりに籾殻くんたんをまいてきた。100リットル/10aじゃ、土壌改良資材としての効果は期待出来ないな。
メインは雪溶かすことだけど。 pic.twitter.com/mNqTQ26dn5— ふー@トマト農家 (@_fu_ex) February 3, 2020
★塩
身近なものでは自宅にある食塩で代用できます。通常水は0℃で氷になります。しかし食塩などの不純物が混ざった水は0℃以下にならないと氷にならず、塩を撒くことで融雪剤と同じ効果があります。
融雪剤は無いので、とりあえず代わりに塩を巻いてみました‼︎ pic.twitter.com/7VNat6n5jv
— ままちゃん@しゃしんやさん (@mikimikamama) January 22, 2018
★コーヒーのカス
ドリップコーヒーやコーヒー豆からコーヒーを入れる方も中にはいらっしゃると思います。飲み終えたコーヒーのカスを撒くことで、コーヒーのカスが太陽の熱を集め、雪を溶かす効果があります。費用もかからず、自然由来なので土壌環境を悪くすることなく使用できます。
融雪剤代わりにコーヒーの粉を撒いたよ pic.twitter.com/v4TUp7rvwy
— ゆり (@Liliumoon) March 10, 2020
■塩害に注意!融雪剤の代用を使用する上で気をつけること
塩化物を使った融雪剤による塩害が問題になっていることを考えると、塩化物である塩を使うのは控え、塩化物を含まないもので環境にも影響が出ないものがいいでしょう。
dmで注文できます。転倒防止にも>長野電波技術研究所の環境に優しい融雪剤。日中の気温があがり、晴天の日こそ効果がある。弱い様々な効果を複合的に働かせているから環境に優しい。塩を何万トンも土に散布して環境が大丈夫なわけないんです。 pic.twitter.com/x3FKpkkphT
— 「ゆくふむ」と猫秘書「はしろ」で運営中 (@yukufumu) January 30, 2016
■まとめ
路面凍結などの危険な路面状況の安全策として使われる融雪剤は、安全を守るだけでなく、除雪作業を楽にし、冬場は必要不可欠なものです。
しかし環境を変えてしまうものなので避ける必要があり、自治体によっては環境に影響が出ないものを使っている地域もあります。
代用品でも環境に影響が出ないものがあるので、是非活用していただきたいです。
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