料理に使う粉といえば、小麦粉と片栗粉です。食材にまぶしたり、混ぜるなどの使い方がありますが、片栗粉とは一体何からできているのか考えたことはありますか?
小麦粉と何が違うの?そう思う人もいるかもしれませんね。
今回は片栗粉とは、どのような粉なのかを解説します。
■片栗粉とは?原料や産地について解説
片栗粉はじゃがいもから作られた粉です。
じゃがいもは馬鈴薯(ばれいしょ)とも呼ばれ、取り出されるデンプンを粉にしたものが片栗粉として売られています。
じゃがいもの主な産地は北海道で、国内シェア77%を超える大産地です。
料理にそのまま使うものから、フライドポテトやポテトチップス、片栗粉も北海道産のものがほとんどです。
■片栗粉の歴史とは?昔の製造方法などについて
じゃがいもの粉から作られるのであれば、「じゃがいも粉」と名乗ってもいい気がしますが、どうしてそのように呼ばれないのでしょうか。
それは、片栗粉はもともとカタクリの地下茎(球根)から作られたものだったからです。
カタクリといえば、きれいな花が咲く花ですよね。江戸時代にはこのカタクリの根を取って粉にしてからお湯に溶かし、病後の滋養のために飲んでいました。
しかし、たくさん採られてしまい生産が追い付かなくなったために、じゃがいものデンプンに目をつけたというわけです。
カタクリとじゃがいものデンプンは同じようなとろみを出せるため、明治時代以降はじゃがいもから採れるデンプンを代用するようになりました。
昔は代用品だったものが、現在ではが主原料となって出回っているのですね。
1.カタクリの球根をすりつぶす
2.水にさらして沈んだ粉を取り出す
3.粉を白くなるまで何度も洗う
4.乾燥させる
この方法で採れる片栗粉は、球根の20%ほどです。
しかもカタクリは8年近くかけて育つ植物であるため、この方法で作られていた江戸時代でも高級なものであったことがわかります。
■片栗粉は主にどんな料理で使うの?
とろみをつけたい料理や、モチモチとした食感を出したいとき、カリッとした食感の揚げ物などに使います。
中華料理の麻婆豆腐やエビチリなどのとろみをつけたい料理に使ったり、唐揚げの衣に使ったりすることで、カリカリとした食感に仕上げられます。
パンの原料に加えると、モチモチした食感のパンができますよ。
とろみが付くことを生かして、お湯に溶かして砂糖と生姜を加えれば「くず湯」のような飲み物ができます。体を温めたいときにはおすすめの飲み物です。
■片栗粉の大さじ1杯は何グラム?
片栗粉の重さは大さじ1杯で約9グラムです。
粉として似ている小麦粉も、重さは同じですので覚えておくといいですね。
カロリーは大さじ1杯あたり約30キロカロリーです。
■片栗粉の小さじ1杯は何グラム?
小さじは大さじの1/3なので、約3gです。
とろみを付けるときに使う「水溶き片栗粉」は小さじ1に対して、水が小さじ2を合わせたものが一般的です。
料理の量によっても変わってきますが、片栗粉:水=1:2で作ると失敗がありませんよ。
■まとめ
● 片栗粉はじゃがいものデンプンから作られたものが主流
● 昔は「カタクリ」の球根から作られていた
● 江戸時代の片栗粉は高級品だった
● とろみをつけたいときに使うことが多い
● 大さじ1杯は約9グラム
片栗粉を買うと表示には「馬鈴薯でん粉」とかいてあるものばかりです。
昔はカタクリから作られていたために、「じゃがいも粉」と呼んでいないこともわかりましたね。
食感に変化をつけるために使うものですが、使い方を知ると料理の幅がぐっと広がります。
普段あまり使っていない人も、試してみる価値はありますよ。
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