ボルトを締めるのに必要な工具といえばレンチですよね。でもホームセンターへ行くと、いろいろな種類があって選びきれない!そんな経験はないですか?
今回は「六角ラチェットレンチ」と「六角ソケットレンチ」の違いと、使い分けを解説します。
■六角ラチェットレンチと六角ソケットレンチの違い
・六角ラチェットレンチ
ボルトを締めるレンチにラチェットがついたものです。
特徴はギアの機構がついていて、少ない空間でも連続的に回せます。
回す部分と部品にはめるところが一体になっているものと、ソケットをはめて使うハンドルだけのものがあります。
一体型のものはサイズごとにそろえる必要がありますが、ソケットが外れる心配がありません。
・六角ソケットレンチ
レンチの先にソケットをはめて、ボルトを回すレンチのことです。
持つ部分の先にソケットがはめられる形状のものがついていて、ボルトの大きさに合わせてソケットを付け替えることができます。
連続して回すときに楽なラチェットハンドルや、ただのハンドルがあり、使い勝手に応じて付け替えられます。
ボルトの大きさと同じ大きさのソケットを交換するタイプなので、レンチを何本もそろえる必要がありません。
ソケットとラチェットハンドル、普通のハンドルがついたセットがありますので、迷った人はこのタイプを選ぶといいですよ。
■六角ラチェットレンチの正しい使い方
1.ボルトに合わせたサイズのものを使います。
2.切り替えのレバーがついているので、右回しか左回しかを選んでセッティングします。
締めたいのか、緩めたいのか、ということですね。
3.締める場合は、止まるところまで手でボルトを締めます。
最初からラチェットレンチを使って回すと、クルクルと空回りしてしまいます。まずは手で締まるところまでボルトを回して、その後にラチェットレンチを使います。
4.レンチをボルトにはめ、ハンドルを往復させてボルトを回します。
<youtube ラチェットハンドル(BR3E)の使い方 by KTC
ソケットを取り付けるタイプのものは、ラチェットハンドルとソケットの向きを確認してからしっかり取りつけましょう。
■六角ソケットレンチの正しい使い方
1.ボルトのサイズに合ったソケットを選び、しっかりハンドルにはめます。
2.ボルトの根元までしっかり差し込んでから回します。
斜めになっていたり、差し込みが浅かったりするとボルトの角がなめる原因になります。
<youtube ソケットレンチセットの使い方 DCM>
■六角ラチェットレンチと六角ソケットレンチはどう使い分ける?
どちらもボルトをしめるという役割は同じですが、どのように使い分けたらよいのでしょうか。
「回せるスペースがどれくらいあるのか」
「ボルトの種類がどれくらいあるのか」
「力がどれくらいかかるのか」
で使い分けるといいですよ。
・回せるスペースがどれくらいあるのか
レンチを使うときには回すだけの場所が必要です。ハンドルを大きく回せるだけの幅がない場合は細かく動かせるラチェットレンチがいいですね。
・ボルトの種類がどれくらいあるのか
扱うボルトの大きさがさまざまで、それに合わせたレンチを1本ずつそろえるのはかさばってしまう、というような場合はソケットレンチを使うといいですよ。
・力がどれくらいかかるのか
ボルトの種類が多くて、回せる場所が少ないときはラチェットハンドルのソケットレンチを使うという方法があります。
そう書くとラチェットレンチが万能そうに思えてしまいますが、大きな力を加えるときはギアがついていない方がいいですよ。
力が大きいとギアに負担がかかってしまうためで、壊れてしまう可能性があるからです。
最後にギュッと締め上げるときや、固着がひどくて力を入れなければならないときは、普通のソケットレンチを使いましょう。
■六角ラチェットレンチ・六角ソケットレンチの誤った使い方
どちらにも共通した間違った使い方、2点をあげました。作業のときに自分は大丈夫か確認してみてくださいね。
・ボルトに対して斜めにはめて回す
ボルトの頭にちょっとのせただけで、レンチを回していませんか?奥までしっかりはめ込んで回しましょう。
力が変に入ってボルトの角をなめる原因にもなりますし、レンチが勢いよく外れて怪我をする恐れがあります。
・サイズが合っていない
サイズが合っていないと、ボルトが空回りして角がなめてしまう恐れがあります。
取り付けが甘くなってしまうため、しっかりボルトをつけることができなくなってしまいます。
サイズはしっかり確認して、合うものを使いましょう。
■まとめ
● 六角ラチェットレンチはラチェットというギア機構が付いたレンチ
● 六角ソケットレンチはソケットをハンドルにつけて使うレンチ
● ソケットをラチェット機構のついたハンドルにつけて使うこともできる
● 「力加減」「レンチを大きく動かせるか」「ボルトのサイズの種類」によってそれぞれを使い分ける
工具売り場へ行くとラチェットレンチだけでも、ずいぶんな種類が置いてあります。
どれを選べばいいのか迷ってしまいますが、まずは自分の作業の内容と環境を確認すれば、どれを使うべきか絞れてきますよ。
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