お菓子を作るときの「膨らし粉」として使われるベーキングパウダーですが、どういった原理でふくらむのか知りたくないですか?
見た目は小麦粉と同じような白い粉に、どのような成分が含まれているのでしょうか。
今回はベーキングパウダーが、なぜふくらむのかを解説します。
いつも通りに作っているはずなのに、ふくらまなかったという原因も載せてありますので参考にしてくださいね。
■ベーキングパウダーで膨らむ理由
ベーキングパウダーが膨らむ理由は、含まれている成分が化学反応を起こしているからです。
ベーキングパウダーには「重曹」「酸化剤」「グルテン」が主な成分が入っています。
重曹に酸性のものを足すと、反応が起きて炭酸ガスが発生します。この炭酸ガスの効果によってふくらむのです。
しかしすぐに反応してしまっては、使いたいときに効果を発揮してくれません。そこでグルテンが中和剤の役割をしてくれて、反応をさえぎってくれているのです。
ベーキングパウダーに水分が含まれると、グルテンが反応を遮れなくなってしまい、重曹と酸化剤が反応します。
重曹と酸化剤が反応すると炭酸ガスが発生して、ふくらむというわけです。
炭酸ガスは水だけではなく、熱を加えることによって反応が大きくなるので加熱するとさらに大きくふくらみます。
■ベーキングパウダーが膨らまない!その原因とは?
・小麦粉とよく混ぜ合わさっていない
お菓子を作るときの主原料は小麦粉です。
この小麦粉とベーキングパウダーがまんべんなく混ざっていないと、一部分だけがふくらんで、他の部分がふくらまないということがあります。
・混ぜた後に寝かせている
ベーキングパウダーは、水分と反応することでも炭酸ガスが発生します。
生地を混ぜてまとめた後に寝かせた時間が長いと、この時間に炭酸ガスが発生してしまいます。
焼くときの反応が鈍くなってしまうことがあるので、寝かせる時間が長すぎないようにしましょう。
・使用量が間違っている
材料に対してベーキングパウダーの量が少ないと、ふくらむ力が足りなくなります。
レシピを見て間違えないようにしっかりと計量することが大切ですよ。
・古いベーキングパウダーを入れている
ベーキングパウダーは古くなっても腐るものではありません。
しかし時間がたつと空気中の水分と化学反応がおきて、少しずつ炭酸ガスが発生してしまうことがあります。
使いたいときに反応が進んでいると、焼き上がりのときに炭酸ガスが発生せずにふくらみが足りなくなることがあります。
■それで合ってる?ベーキングパウダーの正しい使い方
小麦粉と一緒に使うときは、一緒にふるいにかけて混ぜるようにしましょう。牛乳などの水分を入れるタイミングで入れてしまうと、均等に混ざらないことがあります。
また量が多すぎると苦みが強く出ることがありますので、レシピ通りの量を守ることが大事ですよ。
■古いベーキングパウダーは膨らまない?
古いと絶対にふくらまない!ということではありませんが、ふくらみが足りなくなることがあります。
上の章でものせましたが、古くなることで空気中の水分と反応してしまうのです。
反応が進んでしまうといざ使いたいときには炭酸ガスが発生しない、という自体になりかねないので、あまり古いものを使うことはおすすめしません。
■ベーキングパウダーがまだ使えるか確認する方法
ベーキングパウダーと熱湯で確認できます。
スプーン半分くらいのベーキングパウダーに、熱湯を垂らしてみてください。シュワシュワと泡が出るようであれば、まだふくらませる力が残っているということがわかります。
泡が出ないようであれば、ふくらませる能力が完全に消えてしまっているので、新しいものを買うようにしてくださいね。
■まとめ
● ベーキングパウダーは、成分の化学反応によってふくらませることができる粉である
● ふくらまないときは「混ぜ方」「混ぜた後の時間」「古くなっていないか」を確認すること
● 古いベーキングパウダーは酸化が進んで保存のときに化学反応が起きていることもあるのでふくらまないことがある
● 熱湯を使えばふくらむ力があるかどうかを確認できる
ベーキングパウダーが膨らむ理由と、ふくらまないときの原因を解説しました。
ベーキングパウダーは、成分が化学反応を起こすことでふくらむことがおわかりいただけたと思います。
ふくらまない理由もこの化学反応が進んでいることが、原因のひとつであるということも覚えていただけたと思います。
思ったようなふくらみのお菓子を作るために、ベーキングパウダーを上手に使いこなしてくださいね。
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