片栗粉も小麦粉も同じ粉ではあるけれど、レシピによって載っている種類がいつも違いますよね。
なかにはコーンスターチが材料に入っていることもあって、どう使い分けたらいいのかわからない、なんてことも。
使い分ける理由はどこにあるのか、違いを知ると納得できますよ。
今回は片栗粉と小麦粉、コーンスターチの違いと見分け方、それぞれの特徴を紹介します。
■薄力粉と片栗粉の違い
原料が違います。
薄力粉は原料の小麦を粉にしたもので、片栗粉はじゃがいものデンプンを粉にしたものです。
それぞれ特徴が違うため、使う料理の場面も変わってきます。
一般的に小麦粉といったら、薄力粉のことをさすことがほとんどです。
薄力粉はサックリ仕上がる、クッキーやケーキといったお菓子に使うことが多いですね。
片栗粉は「水溶き片栗粉」にして、主にとろみを出したい料理に使います。
どちらも揚げ物の衣に使えるなど、共通点は多いですよ。
■似ている!薄力粉と片栗粉の見分け方
触ると薄力粉はサラサラしていますが、片栗粉はキュッキュッとした指ざわりです。
薄力粉は少し黄色がかった色ですが、片栗粉は真っ白であるため、目で見ても判別できますよ。水に溶いてしばらく置いておくと、片栗粉は下に沈殿します。
■薄力粉と片栗粉はお互いに代用できる?
使う場面にもよりますが、代用は可能です。
揚げ物などの衣が一番代用しやすいですね。食感は少し変わりますが、見た目も味も変わらず食べられます。
両方ともとろみがつけられるため、普段は片栗粉でとろみをつけているものに薄力粉を水で溶いて使っても大丈夫です。
片栗粉のように粘りの強いとろみは出ないので、薄力粉の量を増やして使います。
逆に粘りを出したくない、シチューなどのとろみには片栗粉は向きません。同量の片栗粉を入れるとネットリしてしまいますので、使う量に気をつけて使いましょう。
■コーンスターチと片栗粉の違い
とろみが付く温度と原料が違います。
コーンスターチはコーン、つまりトウモロコシのデンプンから作られたものです。
片栗粉は温かい料理にしかとろみがつきませんが、コーンスターチは冷やしてもとろみがついたままなので、デザートに使えます。
ブランマンジェのような冷やしたいデザートには、コーンスターチが向いていますよ。
片栗粉は透明であるのに対し、コーンスターチは白っぽく色がつくのも違う点です。
■コーンスターチと片栗粉はお互いに代用できる?
どちらもとろみをつけるという点では、共通しているので代用が可能です。
その際は片栗粉の方が粘りがあるので、コーンスターチで使う量より少なめに入れるようにしましょう。
揚げ物の衣も、大した差がなく使えるのでお互いに代用できますよ。
気をつける点は、コーンスターチは白っぽく仕上がるということです。
透明度の高いあんかけ料理などにコーンスターチを使うと、料理全体が白っぽくなってしまいます。
見た目の仕上がりを気にするときは、片栗粉の代用としてコーンスターチは使えないと思いましょう。
また、カスタードクリームといったものに片栗粉を使うと口当たりが悪く、ボテッとした食感になってしまいます。
カスタードクリームをつくるときにコーンスターチがないときは、薄力粉を代用する方がいいですね。
■一体どっち!?コーンスターチと片栗粉の見分け方とは?
見た目や触った感じの差はほとんどないので、水で溶いたあと火にかけて判断します。
同じ量の粉と水を、火にかけてとろみが強い方が片栗粉、弱い方がコーンスターチです。
また、火にかけたものが冷やされたときに、とろみが残っているのがコーンスターチ、とろみがなくなるのが片栗粉、といった見分け方もできます。
別の容器に移し替えるようなときは、見分けがつきにくいので気をつける必要がありますね。
■まとめ
● 片栗粉の原料はじゃがいも、薄力粉は小麦、コーンスターチはトウモロコシのデンプンが原料
● 薄力粉は少し黄色っぽいが、片栗粉とコーンスターチは真っ白
● 粘りを強く出せるものは片栗粉、次いでコーンスターチ
● どれも揚げ物の衣ならあまり変わりがなく代用できる
● とろみをつける際の代用は色味と温度、粘りの強さに気をつける
粉といっても原料が違うだけで、とろみの強さや向いている温度が違うことがわかりました。
食感も変わるので代用には気をつけることもありますが、揚げ物の衣などはいつもと違うものを使ってみることで、ちょっとした変化を楽しめますよ。
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